株主優待のバックグラウンド
株の魅力の一つに株主優待制度というものがあります。
JALやANAだと、航空券の料金が半額になる、なんていう優待券もあります。
そういう優待券は、換金性がいいこともあり、
配当金と同様の「現金収入」としてとらえる投資家は少なくありません。
そして、ここにきて、
株主に、配当とは別に自社製品やサービスを贈る
「株主優待制度」をとり入れる企業が増えてきています。
特典目当てに株式を買う個人投資家を増やす目的だけでなく、
自社製品への理解と愛着を深めてもらうことで、
長期保有の安定株主になってもらう狙いもあるようです。
投資家向け情報会社「大和インベスター・リレーションズ(IR)」によると、
株主優待を導入している上場企業は7月末で1005社と、
上場企業全体のほぼ4分の1を占めています。
集計を始めた1992年7月は247社で、14年で4倍以上に増えていますね。
株主優待の背景
株主優待は、決算期末に一定以上の株式を保有する株主が対象です。 戦後まもなく、電鉄会社が始めたのが、そもそもの由来だとか。株主優待の導入企業が増えている背景には、
株式持ち合いの解消で、安定株主が減っている実情もあるんです。
野村証券金融経済研究所によると、
上場株のうち企業の保有株式(自社株を除く)の比率を示す「持ち合い比率」
(生命保険と損害保険を除く)は、06年3月末で10.7%と、過去最低を更新しています。
企業側には、株主優待の導入で安定株主を増やすことで、
敵対的買収からの“防波堤”になってほしいとの期待もあるようですね。
このため、単なる優待ではなく、
特に長期保有の株主に「特典」を用意する企業も多いのです。
焼き肉レストラン「牛角」などを展開する、
レックス・ホールディングス(ジャスダック)は、
2年以上の保有者に対し、3000円相当のカタログギフトやワインセットを贈っています。
大手私鉄でも、長期保有者には、贈る回数券の枚数を増やす会社もあります。
株主優待を通じて、環境保全など社会貢献度をアピールする企業が多いのも、
最近の特徴といえるでしょう。
リコーリース(東証1部)は、株主に贈ったギフト券が使われると、
使用金額の約20%が環境基金に寄付される仕組みを導入しています。
株主優待よりも高配当を、との声
ただ、外国人投資家などには株主優待より高配当を求める声も強く、 株主優待を縮小・廃止する企業も出るなど、企業側の対応も分かれている。外国人投資家は、やはりシビアで、優待品の拡充よりも高い配当を求める傾向があります。
外国人投資家の持ち株比率が約4割を占めるヤフー(東証1部)は昨年、02年に導入した株主優待を「株主から配当を求める声が多かった」(広報部)ため廃止しています。
そして、
牛丼店を展開する松屋フーズ(東証1部)も今年から、年2回贈っていた株主優待食事券を1回に減らしているのも、その流れです。
市場関係者からも、「自社製品と関係のない優待品を提供する企業もあるが、宣伝効果のない商品を贈るより、配当を充実させるべきだ」(大和総研の横山淳・制度調査部次長)との指摘もあり、企業によって、その株主がどういう比率になってくるかで、
これはかなり変わってくるでしょう。